豊徳鉱山の産業廃棄物野積み問題



 「環境」をテーマに05年の万博会場に近い豊田市八草町の産業廃棄物処理施設で許容量を越える約30万立法bが野積み状態にされた問題を豊田市議会の光岡保之議員が昨年6月議会で取り上げ、環境モデル都市やラムサール条約登録のように先進的な「光」の部分が先行し、臭いものには蓋をしろと「陰」の部分は不透明だとして市の対応を問題視。その後みんなの党愛知県第1支部(鈴木丈章支部長)が昨年2度公開質問状を出したが、市は「許可容量を越えて受け入れている認識はなかった。是正指導しており、手続きに違法はなく、法の趣旨から全量撤去を命ずる必要はない」と対応。昨年12月議会で再度行った光岡氏の質問に対する市の対応も変わっていない。【後藤真一】
 光岡議員は6月議会でこの問題を取り上げ、その後も関係者への聞き取りなどから新たな疑問点が出てきたため、改めて市の産廃行政の透明性、公平性、安全性について言及した。
 過剰保管の実態をいつ把握し、指導してきたかについて、市は05年3月に八草町の住民からの通報を受けて立ち入りした時点では豊徳鉱山が大量に廃棄物を受け入れ、まだ埋め立てしていない仮置きの産廃の山ができているとの認識。「最終処分場の残余容量を越えて受け入れているとは見てなかった」(末継誠之環境部長)。同年9月に市が「改善勧告」を出した結果、翌10月に同社から仮置きする産廃は25万立法bで最終処分場の残余容量15万立法bを越えて10万立法bの産廃を過剰に受け入れているとの報告を受けたという。
 しかし、同社が報告書の中で「転圧圧縮して埋め立てることで最終処分場に全て埋め立てられると報告していたため、市は推移を監視し指導してきた」と説明。
 だが光岡氏は98年には住民の通報があり、99年には当時の鈴木公平市長が視察し、「改善勧告」を出したのは明らか。議会に報告もなく、指導せずに放置してきた。「改善命令」を出さなかったことや隠ぺい体質に首を傾げる。一方、市は「改善勧告に従い埋め立ててきたため『改善命令は出さなかった』。05年の通報まで過剰に保管している認識はなく、資料がないため答えられない」と平行線。
 地域住民にとって関心が高い安全性の確保。市は同社が提出した「措置命令」に対する計画書で安全対策が盛り込まれ、計画書通りに行われているかを監視し、対策の履行を確認していくと共に、完了後も定期的に立ち入りし、覆土などの状態など異常がないことを確認。地下水の水質検査を定期的に行うことで万全と主張。市の記録文書に「市が実施した埋設廃棄物の調査結果で溶出量基準を越える有害物質が検出された」「メタンガスの濃度が高い地点がある」との光岡氏の主張には「最終処分場の廃棄物の中で鉛が基準を越えていたが問題はない。同社が実施する地下水、浸出水、放流水の検査結果を確認し、基準を満たすことを確認。市も毎年検査し、異常がないと確認。鉛も基準地内で周辺環境に影響を与えていないことから撤去を命じることは考えていない」と対策を講じることに否定的。住民不安をかえって煽る。
また同時進行していた東和総業開発が「改善勧告」「改善命令」「措置命令」と市がスムーズに対応してきたのと対照的に不公平さを指摘。
 八草地区は県肝いりの「知の拠点」が整備されるなど大学や研究機関が集積する名古屋東部丘陵地帯に隣接する今後発展が期待される地域。「陰」の部分は安全安心に直接かかわるだけに処理業者の取り組みを注視していく必要がある。