2013年4月4日




倫理経営リポート・坂元玲介さん



 豊田市寿町に昨年9月オープンしたリハビリデイサービス施設「P‐BASE」。理学療法士をはじめ7人のスタッフが、要介護者の機能維持・向上のため介護サービスを行っている。
 利用者は現在、60、70代の男性が中心。走れる人もいれば、立つことさえ困難な人もいるという。そこで最も重視するのが普段の生活シチュエーションに合わせた訓練。各自に目標を毎回設定させ、それに応じたプログラムを都度作成する。
 坂元玲介代表(29)は「病気になった人は未来を諦めていることが多い。リハビリはひとつの手段。新たな人生の手助けが施設立ち上げの1番の目的」と語る。
 来るだけで体を動かしたくなる施設‐。開設にあたりこだわったのがデザイン≠セ。工場の倉庫を改装した外観はデイサービスとは思えない造り。利用者の普段の生活を思い、敢えて段差を設けた入り口を潜ると、高い天井と上部の窓から差し込む光が開放感を演出する。イスや机の配置も次の動作にわずらわしさを感じないよう配慮。「患者の新しい人生設計をデザインしたい」。坂元代表の信念も込められている。
 坂元代表は豊野高を卒業後、岐阜県の医療専門学院に進学。理学療法士の資格を取得した。元々は看護師を志していたが、バイク事故で病院通いした際出合った療法士の熱心な介護に心を揺さぶられたという。
 一方、多数の職員を抱える病院で外来や訪問リハビリを担当する中、マニュアル通りの介護に憤りを感じていた。「人材育成に限界を感じた。自分の人生の一部として仕事ができるシステムをつくりたかった」
 豊田市南倫理法人会へは昨年6月入会。「失敗を恐れない覚悟が持てるようになった」。さまざまな経営者との出会いから組織づくりや人生観も学んでいる。
 4月からは新たにバランスボールを使った講座も開催。少人数制でそれぞれの体系や姿勢に合わせたトレーニングを行う。インナーマッスルを鍛えることで主に体のゆがみ改善に効果があるという。
 開設以来、管理者としての苦労も多いというが、だからこそやりがいも。「利用する人の笑顔から活力をもらっている。本音を聞けたときはその人の人生に少しは加われたかなと感じる」
 利用者に笑顔で語りかける横顔に迷いはない。
 【九郎田宏之】